理事長挨拶
平素から(一社)蒲郡青年会議所の活動に対し多大なるご理解とご協力を賜り、厚く御礼申し上げます。
2025年度は「感孚風動(かんぷふうどう)~感動がこのまちを明るく照らす光となる~」をスローガンに活動して参ります。「感孚」は人に感動を与えること、「風動」は風に吹かれて草木がなびくように人を感化すること、つまり「人の心を感動させ、感化させること」という意味です。本年はこの“感動”をキーワードに皆様へ寄与できる運動を展開して参ります。
これからも(一社)蒲郡青年会議所に対しての変わらぬご支援ご鞭撻をお願いするとともに、日頃より我々の活動にご理解とご協力を賜る全ての皆様にとって、“感動”にあふれる一年となることを心から御祈念申し上げ、挨拶とさせていただきます。1年間、どうぞよろしくお願い申し上げます。
理事長所信
感孚風動
~感動がこのまちを明るく照らす光となる~
「感孚(かんぷ)」は人に感動を与えること、
「風動(ふうどう)」は風に吹かれて草木がなびくように人を感化すること、
つまり、「人の心を感動させ、感化させること」という意味である。
はじめに
蒲郡青年会議所は69年目を迎え、一つの区切りである70周年が目前となりました。我々が今も活動できているのは、諸先輩方の奉仕と修練、そして友情のおかげであるとともに、それを次代へ継承していく自覚と使命感を決して忘れてはいけません。
私は2015年に蒲郡青年会議所へ入会し、今年で11年目になります。多くの先輩や仲間と出会い、多くの活動に参加してきました。苦難や疑問を感じることもありましたが、「それでも…」と奮い立たせ、今日まで続けることができたのは青年会議所が感動を与えてくれる、体感できる組織だからです。これからもそんな組織でありたいと考えます。
「明るい豊かな社会」とは
明るい豊かな社会とはどんな社会でしょうか。想い描く社会が十人十色であるこの問いに対し、私が想い描くのは、「心が満たされる社会」です。心が満たされるとは、人の幸福度だと考えます。日本では年々、「物の豊かさ」より「心の豊かさ」を重要視する傾向にあります。1人当たりのGDPは増加してきましたが、生活満足度は30年間ほぼ変化しておらず、世界と比較しても日本の幸福度は低いです。つまり、経済的豊かさのみでは、人の幸福度は上がらないのです。「明るい豊かな社会」の実現を目指す我々も、行き詰まりを見せる経済的豊かさに代わる新たな指標の「幸福」について考え、活動する必要があります。
幸福度を上げることは容易なことではありませんし、人によって何が幸せであるかは様々です。幸福感が精神的に満たされた状態であるならば、その切っ掛けとなる感情は「感動」なのではないでしょうか。感動とは、心が揺さぶられる、震えるような心の動きです。感動こそ、日常生活に大きな変化をもたらし、幸福度を向上させるために大切な要素であり、もっとも有効だと考えます。
皆さんにとって、心が揺さぶられる、震えるような瞬間、感動したのはいつ、どんなことですか。一緒に考えましょう。一緒に人の心が動く瞬間を創りましょう。感動を与えることが人々の幸福度を向上させる切っ掛けや一助となり、「明るい豊かな社会」を実現する大きな一歩となります。
感孚風動(かんぷふうどう)、2025年度は「感動」をキーワードに活動してまいります。
多国籍・多文化交流の促進
皆さんには、心を揺さぶられる、震えるような瞬間や経験はありますか。私は学生時代にアメリカ合衆国で約1年半過ごしました。アメリカという国は多国籍・多文化で形成されており、たくさんの方々と出会うことができました。それは初めて直に異なる言語を聞き、生活習慣を見て、価値観に触れた瞬間であり、まさに驚きと感動でした。この経験と感動は私の日常生活に大きな変化をもたらし、人生を豊かにする宝物となって幸福度を向上させてくれました。
昨今、SNSや様々なコンテンツから全世界の情報を得ることは簡単です。さらに訪日外国人は年々驚異的に増加して景気の一翼を担っており、在留外国人は人口減少が進む日本、人材不足に苦しむ企業にとっても貴重な人材となっています。この蒲郡で住み暮らす外国人も年々増加傾向にあります。私たちが思っている以上に異なる国籍や文化の交流は身近になっており、そこには様々なチャンスがあり、これから必要となる交流なのです。しかし、都心部ではそれらへ気軽に触れる機会はありますが、その他ではまだ少ないのではないでしょうか。
多国籍・多文化との交流には人の心を大きく動かす力があります。直に触れることで生まれる驚きと感動を届ける機会を我々が提供することで、全世代の幸福度を向上させる一助になると考えます。
我々は多国籍・多文化交流による感動から幸福度を向上させるために活動してまいります。
青少年の自己肯定感育成
私には2人の愛する子供がいます。育児に奮闘するなかで「自己肯定感」という言葉を見聞きするようになり、その大切さを実感しています。自己肯定感とは、ありのままの自分を肯定する、好意的に受け止めることができる感覚のことです。他人と比較するのではなく、そのままの自分を認め、尊重し、自己価値を感じることができる心の状態を指します。
現代社会ではSNSなどの普及から無意識に他者と比較することが容易になったと感じます。他者と比べることは、「私もそうなりたい」と自身を奮い立たせる切っ掛けや原動力になるよい面もありますが、一方で自己が形成される青少年期においては、自分らしさを大切にする自己肯定感の育成も必要だと考えます。青少年期からこの自己肯定感が育まれることで、自信を持って様々なことに挑戦し、例え失敗してもまた挑戦しようとする意欲が高まることが期待できます。それは、子供がたくましく生きていく力になります。そして、将来的には良好な人間関係の構築、仕事や自己実現の土台となり、さらには感動する心の感度を高め、幸福度を押し上げる力になると考えます。
我々は青少年の自己肯定感を育成するために活動してまいります。
会員拡大および会員交流の促進
青年会議所に限らず、多くの団体や組織が会員減少という難題に直面しており、組織の存続に関わる会員拡大活動は必須です。そんななか、蒲郡青年会議所は人口比率から考えると愛知ブロック協議会のなかでは会員拡大に一定の成果を上げてまいりました。これまでに会員拡大へ注力してくれた方々への感謝とその意思を受け継ぐとともに、「我々の活動や事業に共感してもらう」、「会員の立ち振る舞いや表情・背中を見て感化される」ことも会員拡大に重要な要素だと考えます。
そして、大きな決断をしてくれた新入会員のフォローも大切です。私自身、これまで活動することができたのはたくさんの先輩や仲間が支えてくれたからです。そこで2025年度は、新入会員に寄り添う会員、バディ(相棒)を設け、各自の心境や環境に合ったフォローを展開します。
また、例年開催されている新入会員訓練企画では、会員同士の交流を促進する事業を開催してもらいます。事業構築の基礎を学んでもらうことで会員としての自覚が芽生え、今後の活動意欲が高まります。一方で、現役会員にとっても新たな仲間との出会いは刺激であり、新入会員が活動する姿を見て自身を見直す気付きが期待できます。
新たな仲間との出会いによって生まれる刺激は活動の原動力になります。それは事業へ反映され、まちや人へ届くはずです。その成果がまた我々の活動する原動力のひとつとなるような好循環を生み出し、明るい豊かな社会へ一歩近づくと考えます。
我々は未来の仲間を増やし、今の仲間を大切にするために活動してまいります。
青少年の思いやり育成
蒲郡青年会議所は青少年の育成を目的としたわんぱく相撲を約40年にわたって開催してまいりました。相撲を通して心身の鍛練と礼儀作法を学ぶとともに、勝つことの喜びや負けることの悔しさを経験することができます。そして、勝者であっても敗者であっても相手を敬う思いやりをはぐくむ機会となっており、この思いやりはいつの時代にも必要とされる心情です。
さらに、2025年度はわんぱく相撲愛知ブロック大会が蒲郡の地で開催されます。愛知県内で予選を通過し、全国大会に向けて参加される子供たちやそのご家族の想いに応えるためにも、蒲郡青年会議所一丸となって感動する大会にしましょう。
我々は青少年の思いやりをはぐくむために活動してまいります。
70周年を翌年に控えて
会員拡大が重要であると同時に、組織力強化も重要です。人口減少、少子化、中小企業の減少など、青年会議所だけ爆発的に会員が増えることは今後も困難だと言えます。そんななか、蒲郡青年会議所は翌年に70周年を迎えます。今、そしてこれからを見越すと、たとえ少数であっても最大限にパフォーマンスを発揮できる組織、小さな力で大きな成果を上げる仕組みが必要です。そのために、運営を細かく見直し、大胆に再構築やバージョンアップを行います。2025年度は組織に事務局を新たに設け、組織運営の最適化と組織力の強化を図ります。
終わりに
夜空を見上げ、星の輝きを目にすると、我々が単年で行う事業は数多くある星のひとつをつかむようなものだと感じる時があります。しかし、これまで諸先輩方が築き上げてこられた歴史と伝統を基盤に、今後も我々が感動を源に行動すれば、その星はひとつであったとしても輝きは増すはずです。この1年のすべても輝く星となり、大きな光となって夜空を明るくし、この社会を明るく照らすことができるはずです。そのためにも我々の活動の先にある未来を想い描き、活動の過程にある感動や喜びだけでなく、不安や困難すらも糧にしましょう。
この1年間に私のすべてを注ぎ、活動してまいります。1年間、どうぞよろしくお願いします。